東京都歴史文化財団によるWEBサイト、トーキョーアートナビゲーション主催のコンペティション/フェイスブック・ページ


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【今週のアーティスト・ピックアップ】

高鶴アタル

作品写真は1枚目から順に、

《コズミック・フュージョン》2014年 90×90 cm キャンバスにアクリル絵具
《コズミック・フュージョン・RS》2014年 60×60 cm キャンバスにアクリル絵具
《コズミック・フュージョン・S》2014年 60×60 cm キャンバスにアクリル絵具、スプレー

今週は高鶴(こうづる)アタルさんをご紹介します。
のびのびとしたフリーハンドの線に、元気のある原色づかい。丸や四角形のモチーフがまるでダンスを踊っているよう。子どもが思うままに描いた落書きのような、束縛のない自由な精神を感じる作品です。
抽象的な絵画ですが、ちりばめられた不規則な図形は象形文字や記号のようでもあり、画面全体で見ると地図のような、設計図のような、あるいは暗号のような、ミステリアスな雰囲気を醸し出しています。

そこから、アフリカやオーストリアの砂漠の奥で発見された太古の壁画を連想することもできるでしょう。もしくは、ボイジャーで宇宙を旅する銅板の絵なども。
そう考えて、これは「宇宙」なのだと気がつきました。高鶴さんの描く作品は、混沌とした私たちの宇宙を、言葉やイメージでラベリングすることをせずに、そのエッセンスをとらえて表現しているのだと。共通の文字や概念を持たない相手に、自分たちの集積された知識や世界観をエッセンスとしてシンプルに伝えることこそが、人間が「絵」を描く原初の、かつ究極の動機なのかもしれません。そんな古代の壁画や宇宙へのメッセージに通じるような意識を、高鶴さんの作品からは感じます。

高鶴さんは福岡の上野焼の窯元の家に生まれ、アメリカおよび南欧でアートを学んだアーティストです。ペインティング作品の他、彫刻や作陶も手掛けています。屈託のない作風は欧米の明るい太陽と広い大地に囲まれて生まれたものでしょうか。と同時に、歴史的に茶道具を制作してきた故郷の伝統にも立脚して、禅の思想に通じるコスモロジーをモダンな抽象画の中で展開していることが、非常に興味深いと思います。

特徴的なのは「セル」のイメージです。線で囲まれたエリア=小部屋が、画面には大小さまざまな形態でいくつも存在しており、その中には核や細胞液、ミトコンドリアを彷彿とさせるモチーフも。これは高鶴さんの他の形式の作品にも共通しているイメージで、石の彫刻作品にも同様のモチーフが見られます。
宇宙の造形をつきつめると細胞の組成と同じような形態になるというのはとても面白い現象です。ミクロはマクロに通じ、巨視的な視点は微視的な視点と同じ。ルーツを通じて禅や茶道の真髄に親しみ、手のひらの中の小宇宙をいつくしんできた作家ならではの表現と言えるかもしれません。
高鶴さんの世界を舞台にしたグローバルな活躍を、今後も楽しみにしています。《TAN編集部》

◇  ◇  ◇
http://tokyoartnavi.jp/artistfile/detail.php?artist_no=20001418
※今回ご紹介したアーティストのプロフィールや展覧会情報など、さらに詳しい情報は、上記のアーティストファイルからご覧いただけます。

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